朝霧という曲
2016年の暮れ頃の話です。今さらですが公開しました。
朝霧という曲ができました。
1年前に、たまたま旅先で立ち寄った山梨県立美術館で、朝霧という屏風絵に出会いました。
山田敬中という明治、大正時代に活躍した日本画、浮世絵師が描いた屏風絵で、朝霧というタイトル通りの、霞がかった山の風景が描かれています。
とっても素直に感じる絵で、奇をてらったとこが全くなく、とても丁寧で、まっすぐな、美しい山の風景です。
ものすごく惹きつけられて、家に帰ってからも、また見たいと思い、ネットで調べてもまったくヒットせず、この絵を見るには美術館に見に来るしかないということに気づき、もう一度クリコを誘って見に行きました。
で、朝霧のことは、ここでほとんど忘れてました。
で、一年以上前になんとなく歌って、スマホにメモってたアフリカンな曲があって、それを今聴いたら、すごく素敵に聴こえて、ぜひこれを曲として完成させたいと思いました。
で、あれこれ詞を考えてたんだけどなにかしっくりこない。そして急に朝霧のことを思い出しました。朝霧をモチーフに詞をつけたらおもしろいんじゃないか、アフリカのテイストを持つ曲に、日本の屏風絵の世界をモチーフにした歌詞が乗る、なんてすばらしいアイデアだと思いました。
そして、以来薄れゆく記憶と、クリコが記憶を頼りに描いてくれた模写だけを頼りに、頭を最大限に振り絞り、詞をつけました。
自分で冷静に判断しても、いい曲だなと思います。
これまで作った事のない完全ワンコードの曲。
1分くらいにすぎないんだけど、一年以上前に、最初にスマホにメモったやつが奇跡的に素晴らしいできで、特にギターの伴奏が神がかっていて、今の自分ではまったく演奏できないし、理解もできない。
でも、とにかくこれを再現することに決め、しつこくしつこく聴いて、コピーしました。
それにしても、神が降りてくるのは、最初の一回だけなんだなと思います。最初の一回は、なんの苦労もなくできたのに。
とにかく、それを再現するために一所懸命に練習するだけ。
アフリカ的リズムと、日本古来の山岳風景を合わせることによって、完成した不思議な曲。でも違和感はない。
そして、約1年ぶりに朝霧を見に、山梨県立美術館に行きました。
常設展示プラス特別展示で入館したが、朝霧で頭がいっぱい。
特別展を見ながらも、心ここに在らずだった。
そして、やっと会えた。
懐かしい朝霧。
ちゅーしたい。
じっくり鑑賞して、他の常設展はサッと流し見。
外のセブンイレブンで昼飯を食って、藤野のカフェに向かった。
ここは、最高に落ち着く。
いい場所。
今日は、ギタレレを持って行った。
オーナーさんと思しき人が、ミュージシャン?と聞いてきて、ライブとかもやってるから、遊びにおいでよ。という話になった。
ここでライブやらせてもらえたらいいなー。
家にかえったら、クリコの病院から電話があって、あまり検査結果が良くないとのこと。こんど俺も一緒に来院してほしいとのこと。
やだなー。なんだろー。
でも、悪いことを今考えてもどうしようもない。
とりあえず結果を聞いてから考えることにする。
そして、朝霧を練習する。
朝霧、すげー難しい。すぐに小節を見失う。しかも見失ったことに気づかないという。録音したのを後で聴いておかしいことに気づく。メトロノームと、クリコに小節を数えてもらって、とりあえず正しいサイズで録って、それを聴きながらくりかえし練習。
なんとなくつかめてきたので寝ることにする。